私が山を走る理由 ~身体の真理を知るために~
- muratsubaki1002
- 2023年6月2日
- 読了時間: 5分
2023.5.20-21
走り始めて6年目、トレラン始めて5年目、通算4戦目にして初めてウルトラトレイル(100km以上のトレイルランニングレース)に参戦してきました。

トレニックワールド100km in 彩の国 ※距離108.7km 累積標高d+6674m
それまでの最長は距離69k累積標高 d+3600mだった自分にとってはまさにチャレンジ。
結果は
記録 22時間50分55秒
総合順位 45位/466人(完走率69%)
男子順位 39位/348人

トレイルランニングの100kカテゴリーの中でも国内屈指のタフさで評判のこのレースで総合上位10%以内(男子11%)という結果は自分としては出来すぎでした。ほぼ毎週休みの日曜日に山に入って試行錯誤してきたことの積み重ねが結果として実るのは本当に嬉しかったです。
※ちなみにレース前に考えていた目標はとにかく完走、その上で24時間以内
初めてのウルトラトレイルはもちろんめちゃくちゃキツかったですが、それ以上に楽しむことが出来ました。距離が短くなればなるほど強まる抜きつ抜かれつのレース感が得意ではない自分としては、レースマネージメントの比重が高くなるウルトラカテゴリーの方が性に合っているのかなとあらためて思いました。
次戦は半年先の100kmのレースを予定していて、その先は大目標の100mileへと向かいます。
さてさて、ここからが今回の本題「私が山を走る理由」についてです。
友人や患者様から「なんでそんなことしてるの?」と聞かれるのですが、一つの理由は仕事(心身のケア)に役立つ体験が山ほど積めるからです。
トレイルのようなシビアな環境で長時間動き続けるためには
☑日々のコンディショニング
☑パフォーマンスupのための取り組み
☑トレイルでの経験
※刻々と変わる心身の変化を主観と客観を交えて観察して臨機応変に対応
☑トレーニングやレース後のリカバリー、時には故障への対処
などなど様々な能力/ノウハウが求められます。
実はこれらのノウハウはトレイルランナーだけに当てはまるわけではなく、老若男女全ての人の日常的な健康づくりにも全く同じことが当てはめられます。
ここの理解が難しいと思いますが、そういうものだとご理解ください。
※ここを説明しようとするとそれなりの時間を要しますので、興味ある方は施術をお受けいただく際におたずねください。
自分にとってそれは医療系や治療家向けセミナーなどで学ぶような机上の理論ではなく、自身のリアルな体験に基づいた学びです。私もかつては治療家対象セミナーの指導側に携わっていたこともありましたが、やっぱりそこには越えれない限界がありました。他者に伝えようとすればするほど、マニュアル化して特定の状況にしか当てはまらない臨床の現場では役に立たないものになってしまうという現実。現実(臨床)は複雑でマニュアルが通用するほど甘いものではないからです。
ウルトラトレイルではトップ選手でない限りシビアな環境のなかで日中夜(24時間近く※100マイルともなれば時には40時間以上)動き続けることになります。
その過程で様々なストレスの影響を受け、ある意味心身ともに「常に患者化する方向に変化して(追い込まれて)」いきます。
・筋肉のダメージ(筋疲労や筋痙攣や筋損傷)
・内臓疲労
・水分代謝異常(脱水)
・血糖値の影響
・体温変化(熱中症や低体温)
・精神的な浮き沈みとそれに伴う心身相関(フォームや動きの崩れ)
・睡魔や時には幻視幻聴


※急登を登る選手たち ※夜のトレイル。木々の隙間からの街の灯り
だからこそレース中にその兆候となる変化を早い段階で感じとり、早いタイミングで適切な対応(レースマネージメント)が出来るかが完走のための鍵になります。
進化したスポーツウォッチで心拍数などをチェックしたりもしますが、判断の決め手は経験に基づく主観(感覚)です。
・筋肉の疲労感や違和感や痛み
・汗の量や質感や匂い
・尿の量や色
・呼吸やげっぷ
・姿勢の崩れ
・心境
などなど
様々な変化を感じ取りながら、ペースメイクや必要な補給(食べ物や水分やサプリ)、姿勢や身体の使い方などのノウハウを総動員して対応します。小さな変化が大きな問題に至らならないように予防的な処置を講じている感じです。
つまりトレイルを動き続けながら「患者化する自分を自らでケア」「自分という選手を自らコーチング」するような感じです。
先日、今回のレースの事をSNSを通じて知ってくれた社会人時代の先輩から「超人!変態!」と有難いお言葉をいただきました。とても嬉しかったです。笑
トレイルランナーとしてはまだまだ変態とは言えませんが、自分のような心身のケア視点でトレランに取り組んでいるランナーはもしかしたらいないかもしれないので、そう言う意味で変態という言葉は嬉しかったのです。
トレイルランニングを楽しみながら培った能力/ノウハウは随時仕事に反映していますので、そんな目線(どんな?)で極めて私的な投稿も楽しんでもらえれば嬉しいです。
最後に付け加えさせてください。
「私が山を走る理由」は当然仕事のためだけではありません。自然のなかで過ごす時間やその体験が人生に彩りを加えてくれたり、水が美味いとかお風呂が気持ちいいというシンプルな幸せに気づかせてくれたり、細かいことを抜きにして毎日の食事を楽しむことができるようになることも大きな理由です。
好きなことをとことん楽しむということ。
山に限らず何であれ「好きのチカラ」は偉大です。
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